2007年4月、プーチン大統領は年次教書演説で、外国企業への漁獲枠供与を停止する方針であると発表した。これを受け、各国との漁業協定の廃止・見直しも検討されることとなったが、6月、ロシア側は、入漁料などでロシアに利益をもたらしているとして、日本との協定の枠組みはこれまでどおり維持されると明言した。また、5月にロシアで公布された活ガニ輸出禁止の省令についても、その後、大統領が「禁止したのは密漁・密輸」と語り、通関を受けたものは輸出可能であることが判明して、いっとき日本中を震撼?させた混乱は避けられた。
日本が現在ロシアと結んでいる漁業協定は以下のとおり。 漁獲枠、隻数、見返り金等の操業条件は、毎年日ロ政府間で協議され(貝殻島昆布操業を除く)、協定が結ばれる。これらの協定では、カニの操業は認められていない。 日本漁船のだ捕事件は、上記協定違反とロシア主張海域での操業による。最近では、第88豊進丸(6月。日ロ漁業協力協定違反)、第38瑞祥丸(1月。北方四島周辺水域操業枠組み協定違反)、第31吉進丸(06年8月。ロシア主張海域でのカニ操業。1名死亡)のケースがある。(豊進丸の乗組員は、いまだにカムチャッカに拘束されており(7月10日現在)、日本政府は、保証金の提示なしの拘留は不当として7月6日、国際海洋法裁判所に提訴している。) ロシア政府は、資源管理政策を強化しており、6月に野付半島沖(根室)で行われた北海道・ロシア国境警備隊の洋上会談においても、カニ・ウニの一層の密猟取締りについて言及したとのこと。 特にカニについては、資源の枯渇が懸念されている。タラバガニの漁獲許容量は32,800トン(1996年)から2,160トン(2005年)に落ち込んだ。 また、2003年、極東水域におけるロシアのカニ類漁獲許容量が約52,000トンであったのに対し、日本のロシアからの輸入量は約74,000トンであった(北海道大学スラブ研究センター)。日本の輸入統計との開きが大きいと以前からロシア政府は指摘している。 (2007年6月14日読売、6月9、16、20、7月6日北海道新聞より)
by itsumohappy
| 2007-07-11 00:22
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