国立ロシア美術館展

「国立ロシア美術館展」(東京都美術館(上野)・7月8日まで)の感想です。

d0007923_042171.jpg東京都美術館での企画展はおおかた六本木に移動したようだが、これは従来の場所で開催中。こどもの日の上野はとんでもなくこんでいて、駅もすぐには出られない位だったが、幸い美術展は拍子抜けするほど空いていた・・・。かつて経験がないくらいじっくり鑑賞できてよかったことはよかったのですが。人ごみに絵が埋もれているような展示会もありますからねぇ。

空いていたのは、多分、ロシア美術館自体まだあまり知られていないからだろう。「エルミタージュ」のほうはもはや定着したブランドだが。ロシアの画家がテーマだと少々集客が難しいのかもしれない。私もレーピン、クラムスコイくらいしか知らない。旅行の際、トレチャコフで見た作品の制作者によるものと思われる風景画があったが、なかなか画家の名前が覚えにくいもので・・・。d0007923_0445552.jpg

展示は、時代を追っていろいろなジャンルからバランスよく構成されていたと思う。キャプションもただタイトルと画家名・制作年をつけるのではなく、画題に関する簡単な説明を添えてあった。
作品は全般に、日本人に馴染みやすい作風ではないだろうか。緻密で写実的な絵画が多く、見ていて安心感がある。

人物画からは、モデルの心、精神性が伝わってくる。エカテリーナ2世の、堂々と自信みなぎる、大国の女帝らしさ。息子(とされる)パーヴェル1世のはかなくも見える思慮のなさ。

d0007923_2163340.jpg左はシーシキン「針葉樹林、晴れの日」(写真:図録から)という絵画。よい風景画からは、風や温度、湿度感や水の音、鳥の声、地面のにおいを感じる。目の前の風景の中に、実際踏み込んでいけるかのような気持ちになる。

自然を描いたもののほか、他の画家による帝都や街の風景画もいくつか展示されており、絵の中の当時の人々の風俗や生活ぶりも興味深かった。

展示会は、作品数が多く、満足できた。しかし、やはり現地で見たいものです。
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by itsumohappy | 2007-05-06 00:55 | 展示会
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