ロシアの悲願、WTO加盟

今春、パステルナークの小説『ドクトル・ジバゴ』がロシアではじめてTVドラマ化された。しかしメディアの扱いは冷淡で盛り上がりに欠けたそうだ。文化に関心の高いロシア人なのに何故--その理由は、放映の数ヶ月前に海賊版DVDが出回り、関心のある人は放映前に見てしまったからだそうだ。その後、出版された正規DVDの海賊版までが出回ったとか。(2006年5月25日東京新聞)

日本ではちょっと考えられない事態だが、ロシアは中国と並ぶコピー天国らしい。米政府は、中ロによるハリウッド映画やコンピュータソフトの違法コピーの被害が深刻としており、両国を「優先監視国」に指定している。4月、米通商代表部は、ロシアでは政府保有の敷地内で海賊版CDやDVDが作られていると報告した。

この知的財産権の問題がロシアのWTO(世界貿易機関)加盟を遅らせている原因のひとつ。米議会や映画・音楽・ソフトウェア団体は、ロシアが、01年に加盟した中国の二の舞を犯すことにならないようブッシュ政権に求めている。

ロシアは、WTOの前身であるGATTの時代、93年に加盟を申請した。外国からの投資、貿易の増大にはWTO加盟のメリットは大きい。WTO加盟には、多国間交渉での合意のほか、ニ国間交渉を希望するWTO加盟国との個別合意が必要。ロシアは日本とは05年に合意した。二国間交渉が残っている国は、オーストラリア、コロンビア等4カ国で、うち米国が事実上最後の交渉国。プーチン政権は、サミット前にWTO加盟の道筋をつけたい考えだったが、15日の米ロ首脳会談でも合意に至らなかった。
知財面で不正コピー商品の摘発強化という一定の進展はあったが、米国が要求する農業補助金の削減や牛豚肉市場の開放の面で協議が不調に終わったためという。

(2006年4月12日日本経済新聞、4月30日朝日新聞、7月11日ロイター、7月11日読売新聞、7月16日日本経済新聞より)

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【WTO: World Trade Organization】
本部はスイスのジュネーブにある国際機関。GATT(関税及び貿易に関する一般協定)を発展的に引き継ぎ、1995年発足。06年4月現在149カ国が加盟。もの・サービスの自由貿易のためのルールを決定し、加盟各国は決定事項に拘束される。(加盟国には同等の貿易条件が適用される。)
日本は1955年9月にGATT加盟。GATTの時代は「もの」の貿易の概念だけだったが、WTOでは知的財産権のルールが加わった。
自由貿易体制は先進国に有利として、途上国開発支援のための措置がいかにあるべきかが現在課題となっている。(外務省 WTO早わかり Q&Aブック)
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by itsumohappy | 2006-07-17 21:09 | ロシア | Comments(1)
Commented by tsubakiwabisuke at 2006-08-03 00:04
今度京都にこられる時は、この旅館はいかが?
私の書評がお役に立ちますでしょうか?
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