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2010年 04月 30日

話の話 ロシア・アニメーションの巨匠 ノルシュテイン&ヤールブソワ

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ロシアを代表するアニメーション作家ユーリー・ノルシュテイン(1941-)(右)とその作品の美術監督であるフランチェスカ・ヤールブソワ(1942-)夫妻の展示会の感想です(神奈川県立近代美術館 葉山館・6月27日まで)。


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ノルシュテイン作品の下絵・絵コンテを中心に、作家の世界を紹介する展示で、現代のCGを多用した量産アニメーションとは全く異なる詩的な映像にふれることができる。CMなどをのぞく過去約40年間の作品(共同監督を含む)のほとんど全て(『25日-最初の日』(1968)、『ケルジェネツの戦い』(1971)、『キツネとウサギ』(1973)、『アオサギとツル』(1974年)、『霧の中のハリネズミ』(1975)、『話の話』(1979)、『冬の日-狂句 木枯らしの身は竹斎に似たる哉』(2003)、『外套』(制作中))について展示されている。11時と15時に上映会がある(『ケルジェネツの戦い』を除く)。


ノルシュテインのアニメーションは、絵コンテから作成した切り絵を少しずつずらしながら撮影し動きを作るという手間のかかる手法で作られる。マルチプレーン(多層のガラス面に切り絵を配置して撮影する)で奥行きを出す表現も独特で、手作業の暖かさが伝わってくる。複雑な色づかいの変化が美しい。『キツネとウサギ』からは土気が、『霧の中のハリネズミ』(右)からは冷気が感じられる。

d0007923_15534781.jpg1980年に着手した『外套』は今もって制作中で、会場ではラッシュを見ることができる。主人公アカーキエヴィチの表情やしぐさの表現が驚異的である。『話の話』はやや観念的な作品。個人的なおすすめは『霧の中のハリネズミ』。君がいなければ誰と一緒に星を数える?と切々と訴える小熊の脇で夢から覚めやらぬ様子のハリネズミ。ブルーグレイを基調とした幻想的な世界が展開されている。

ノルシュテインは、芭蕉、一茶、北斎などを信奉する日本文化愛好家でもあるそうだ。アニメ作家育成に熱心で、日本でワークショップを開くなど制作指導を行っている。
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by itsumohappy | 2010-04-30 16:00 | 展示会 | Trackback | Comments(0)