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2009年 06月 25日

N・P・オシポフ記念国立アカデミー・ロシア民族楽器オーケストラ コンサート

オシポフ国立民族楽器オーケストラのコンサート(2009年6月23日 於:神奈川県民ホール(小ホール))の感想です。22日に続き、ロシア文化フェスティバルの招待で行ってまいりました。

d0007923_23485635.jpgロシア伝統の民族楽器を中心に編成されたこのオーケストラは、1919年、特殊重砲兵部隊第一砲兵隊に設立されたものが前身。36年にソ連国立民族楽器オーケストラとなった。40年に芸術監督・指揮者に就任したN・P・オシポフの名を冠する。現在の楽団メンバーは約80人。2007年11月に初来日した。今年から、国立ボリショイ劇場オペラ芸術監督(2000-2002年)も務めたウラジーミル・アンドロポフ氏が芸術監督・主任指揮者に就いている(ちらし(左)の人物ではない)。今回は25名編成で来日した。

プロの民族楽器オーケストラの演奏を聴くのははじめて。女性団員はみなおそろいのプラトークをはおって登場。手に手に持つ楽器も見慣れないもので、見た目だけでもロシアらしさ全開という感じ。
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主な楽器は、上のドムラ、バラライカ(三角形)、下のグースリ(机のように置くものと持ち歩きできるものとがある)、バヤン(アコーディオン)など。ドムラ及びバラライカ(それぞれアルト、バスなど種類がある)はかき鳴らすという感じで、体格のよいロシア人男性が持つと何だかおもちゃを扱っているように見えた。

d0007923_23502528.jpgグースリはお琴みたいな楽器で、きらきらした美しい音色である。
バヤンの奏者は、ロシア国内外のコンクールで優勝している実力の持ち主で、ソロで高速な指さばきを披露した。

【プログラム】
(第1部)
チャイコフスキー:「雪娘」より「スコモローヒの踊り」
グラズノフ:「四季」より「小さなアダージョ」
リムスキー・コルサコフ:「熊蜂の飛行」
ショスタコーヴィチ:「管弦楽のための組曲No.4」よりワルツ
ハチャトリアン:「レズギンカ」
ツィガンコフ:「雌鳩」、序曲とチャルダッシュ
グリディン:「コサックはドナウへ向かった」
シェンデリョーフ:「小川に沿って」

(第2部)
「カマリンスカヤ」
ロシアのメロディーの幻想曲
シャロフ:「ワーレンキ」
「細きぐみの木」
「黒い瞳」
「あなたに逢えたら」
「カリンカ」
「荒城の月」
ディテリ:「行商人」
ブランデル:「カチューシャ」
ソロヴィヨフ=セドーイ:「モスクワ郊外の夕べ」
アファナシエフ:「青き湖水を眺む」

*実際の演奏は予定とかなり異なっていて、気がついた範囲で直しましたが、全ての曲はわからないので、上記の中で演奏されなかったもの・足りないものもあるかもしれません。

小さなホールで、演奏者の表情がよくうかがえた。指揮者ともども微笑をうかべ、終始リラックスした柔らかい雰囲気。ロシアらしさも満喫できて、寛げるコンサートだった。
アンコール(「剣の舞」「ラデツキー行進曲」)で気がついたが、普通のオーケストラの音にかなり近い感じにも演奏できるのが意外だった。

観客は高年層主体。「カチューシャ」や「モスクワ郊外の夕べ」では客席がうたごえ喫茶化した。

グースリ弾き(カンディンスキー・1907年)
トレチャコフ美術館所蔵

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by itsumohappy | 2009-06-25 23:58 | 音楽 | Trackback | Comments(4)
2009年 06月 24日

オリガ・アンドリューシェンコ ピアノコンサート

オリガ・アンドリューシェンコさんのコンサート(2009年6月22日 於:銀座・王子ホール)の感想です。

d0007923_23533435.jpgピアノリサイタルは久しぶり。このホール(315席)のようにこじんまりしたところだと、音に浸れる反面、聴衆の身動きやプログラムを触る音などちょっとした物音もけっこう響く(かばんに鈴をつけてはいけませんよ!)。ピアノの音だけだからなおさら感じるのか。最後の音がすぅと消えるまで息をつめて緊張気味?に鑑賞した。

プロフィールによると、アンドリューシェンコさんは1978年モスクワ生まれ。2004年モスクワ国立音楽院大学院を修了。1990年から国内外でコンサート活動を始めた。シューベルト記念コンクールで特別賞(2001年)、スクリャービン記念コンクール及びルービンシュタイン記念コンクール(2008年)で優勝。オルガン、ハープシコードの奏者でもある。

【22日の演目】
グリンカ:アリャビエフの「夜鳴きうぐいす」の主題による変奏曲 ホ短調
ムソルグスキー:「展覧会の絵」
チャイコフスキー:「ロマンス」作品5/「瞑想曲」作品72-5
チェイコフスキー/プレトニョフ編曲:組曲「くるみ割り人形」より
プロコフィエフ:「ソナタ第7番」 変ロ長調 作品83


チラシから受けた繊細そうな印象と違って、意思の強さをまず感じる演奏だった。演目はバリエーションに富んでいて、いろいろな表現を楽しめた。アンコール(ラ・カンパネラ他2曲)も入れて2時間程だったが、濃い内容でした。

第5曲「殻を付けたままのひよこのバレエ」
 (ガルトマン画)

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前半のメイン「展覧会の絵」は、華々しいオーケストラ版(ラヴェル)もよいけれど、本来のピアノ版で聴くと民族調の音色のなかにも一種の清々しさが感じられる。
  
後半のメイン「ソナタ第7番」は独ソ戦のさなかに作曲された「戦争ソナタ」(6番~8番)のひとつ。解説には、「無調的な語法による極度に凝縮された構造性」に貫かれている云々と難しいことが書いてある。恐怖と苦難を表す冒頭から人民を鼓舞するような展開となる。重量感があるが、少々落ち着かない気分になった。ピアノソロ用に指揮者プレトニョフが編曲した「くるみ割り人形」のほうが聴いていて楽しいことは楽しい。

アンコールを3つひいてもまだまだ何時間でも弾けそうな感じでした。舞台までの距離が近いと、演奏家の息づかいが伝わるといいますか、一体感があります。
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by itsumohappy | 2009-06-24 23:57 | 音楽 | Trackback | Comments(2)
2009年 06月 19日

ロシア文化フェスティバル・銀座大ロシアまつり開催

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2009年6月22日から28日まで「ロシア文化フェスティバル」のオープニングとして「銀座大ロシアまつり」が開催される。銀座の諸会場でコンサート、人形劇、工芸展などが行われる。

ロシア文化フェスティバルは、2006年、日ロ国交回復50周年を記念してスタートしたもので、それ以来毎年開かれている。今年のプログラムはこちら(無料の催しもあるが、ロシアアニメーションフェスティバルなど事前申し込みで既に締め切られているものもあるので注意)。今年は、日本側のロシア文化フェスティバル組織委員会委員長を日ロ協会会長でもある鳩山由紀夫議員が務めている。


ロシア文化フェスティバル友の会(無料)に登録すると催しへの招待や優待がある。

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by itsumohappy | 2009-06-19 22:02 | その他 | Trackback | Comments(8)
2009年 06月 17日

最近の話題から

最近の報道からロシアに関する話題を紹介します。

●際立つロシア人ジャーナリストの死者数
2009年6月15日、国際ジャーナリスト連盟(本部:ベルギー)は、過去約15年間に不慮の死を遂げたロシア人ジャーナリストに関する調査報告書「不完全な正義」(“Partial Justice: An inquiry into the deaths of journalists in Russia, 1993-2009”)を発表した。

この報告書によれば、1993年以来、ロシア人ジャーナリストの死者数は313人。それに対して欧州諸国では、英国1、ドイツ2、フランスとイタリアは0という死者数である。313人のうち、124人は明らかにジャーナリスト活動の結果殺害されたとみられている。また、死者数の多さとともに憂慮すべき問題として、容疑者検挙率や刑罰の低さが指摘されている。97年来、法廷に持ち込まれた10件のジャーナリスト殺害事件のうち有罪判決が出たのは半数だが、収監されたのは2人だけだった。

ロシアのジャーナリストにとって一番危険な地域はチェチェンよりもモスクワ。最近では、モスクワ中心部で白昼、ノーヴァヤ・ガゼータ紙の契約記者が人権派の弁護士とともに射殺されている(09年1月19日)。
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報告書の表紙は、その1月19日に射殺されたバブロワ記者とマルケロフ弁護士。マルケロフ氏は、ブダーノフ事件(ロシア軍元大佐らにチェチェン人少女が惨殺された事件)の被害者遺族の代理人だった。ブダーノフの仮釈放に抗議する記者会見後、地下鉄に向かう途中にバブロワ記者とともに殺害された。ガゼータ紙で働いた記者で殺されたのはバブロワ記者を含め4名。

【2009年6月15日国際ジャーナリスト連盟のサイト、6月16日モスクワタイムズより】


●北方領土が「我が国固有の領土」と法律で明記へ
2009年6月11日、「北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律(北特法)の一部を改正する法律案」が、衆議院で全会一致で可決され、参議院に送付された。今国会で成立する見通しである。過去、北方領土が「我が国固有の領土」であると法的に規定されたことはなく、今回はじめてそれが盛り込まれた。法案の可決に対して、ロシア外務省及び議会は強く反発。ロシア外務省は、「不適当で受入れられない。「南クリル」の島々は、第二次世界大戦の結果として合法的にロシア領となったもので、(帰属の問題は)論議の対象となりえない」とする声明を発表し、「日本は、領土に対する違法な要求をエスカレートさせている」と批判した。

北特法の改正案には、他に、ビザなし交流等四島渡航事業(当ブログ記事参照)の定義の追加、北方領土隣接地域(根室市と別海・中標津・標津・羅臼の各町)が行う特定事業に対する国の確実な財政支援措置などが含まれている。
【2009年6月11日RIAノーボスチ、6月12・16日北海道新聞より】


●ロシア国営銀行、オペルを共同買収
2009年5月30日、ゼネラル・モーターズの欧州子会社である独オペルが、ロシアの国営銀行ズベルバンク及びカナダの自動車部品会社マグナ・インターナショナルにより買収されることが明らかとなった。出資比率は、ズベルバンクが35%、マグナが20%。両社で計7億ユーロを出資する。

GM欧州部門は、米連邦破産法11条の対象外。オペルは、ドイツ政府による15億ユーロの公的支援も得て、通常業務を続けることが可能となった。今回の買収劇で、欧州では、ロシアによる新生オペルの事実上の支配が始まったと受け止められている。

ズベルバンクは、ロシア自動車業界2位のガズのメインバンクで、ガズの大株主はロシアの大富豪デリパスカ氏。金融危機で打撃を受けたデリパスカ氏に代わり、ズベルバンクが出資を決定した。

ロシアでは、新車市場(年間300万台)のうち、外国ブランドが6、7割を占める。国産車の育成により、国内製造業の強化を図りたいロシア政府が、技術水準の高い欧州メーカーに着目したと伝えられている。
ズベルバンクは、しかるべき時期にオペル株を転売するとみられており、ロシアの自動車メーカー数社が獲得に意欲を示しているという。
【2009年6月2・3日日経産業新聞、6月15日日本経済新聞、6月18日毎日新聞より】

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欧州のカー・オブ・ザ・イヤー(2009)に選ばれたオペル「インシグニア」
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by itsumohappy | 2009-06-17 00:43 | ロシア | Trackback | Comments(4)