ロシアが気になる

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2008年 10月 31日

最近の話題から

最近の報道からロシア等に関する話題を紹介します。

●ロシア経済、急速に悪化
ロシアの国内総生産(GDP)成長率は、この8年間、原油高を背景に平均7%の成長を続けてきたが、9月に入ってGDPの伸びは事実上停止した。8月のグルジア紛争をきっかけに資金の海外流出が止まらず、原油価格はピーク時の半分となったところにこの度の金融危機の影響を受け、株式市場は5月から70%以上急落した。

今年のフォーブス誌世界長者番付9位にランクされたロシア一の富豪で、世界有数のアルミニウムやニッケル等の会社に出資するデリパスカ氏は、ロシア政府から45億ドルの融資を受け、所有会社の対外債務返済に充てることとなった。同氏は、今回の金融危機で10月25日現在、資産の約6割に相当する160億ドルを失った。

ロシア政府は、この他にも石油大手や中堅銀行等への融資措置をとっている。今後、政府が、苦境に陥った新興財閥や銀行を支援することで、財閥に対する影響力が強まるとの見方もある。

投資活動を行っていない一般ロシア市民の生活には、金融危機の大きな影響はないとされるが、預金を引き出したり、政府系銀行へ移し変えるなどの動きは広まっている。
【10月8日産経新聞、21日共同通信、25日北海道新聞、29日コメルサント、30日RIAノーボスチより】

●サハリン2、まもなく本格稼動
石油・天然ガス開発事業「サハリン2」の施設がほぼ完成し、早ければ2009年1月に液化天然ガス(LNG)の対日輸出が始まる。年間LNG生産量約960万トンのうち約6割が日本向けとなる。LNGプラントを千代田化工建設と東洋エンジニアリングが、LNG輸送船を三菱重工業が造った。在サハリンの百数十名の日本人技術者たちは、帰国し始めている。

LNG船“GRAND ELENA”。
三菱重工業長崎造船所で建造された

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一方、三井物産、三菱商事が関わる「サハリン1」については、パイプライン敷設にさらに5,000億円以上の投資が必要であり、金融危機の折、資金調達が困難視されている。ロシアのガス、エネルギー企業の財務も悪化し、開発事業への影響は避けられないと伝えられている。


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(日本エネルギー経済研究所資料より)

【10月26日、27日日本経済新聞、28日北海道新聞より】

●中露、太平洋パイプラインの支線建設に合意
10月28日、プーチン首相と温家宝首相は、東シベリアの石油パイプラインの中国輸出向け支線(スコヴォロディノ-大慶)のうち、ロシア領内部分の支線建設を行う協定に調印した。これを受けて、ロシア政府系石油輸送会社トランスネフチと「中国石油天然ガス集団」は、パイプライン建設・利用に関する協定を結んだ。

この交渉のなかで、現在、金融危機の影響を受け資金繰りが悪化し、ロシア政府からの融資が決定しているトランスネフチ及び同じく政府系石油会社ロスネフチが、「中国石油天然ガス集団」より、計250億ドルの融資を石油供給の「前払い」として受ける内容の覚書も交わされた。

日本市場向けのパイプライン支線建設については、まだ具体化されていない。
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現在、第1段階の建設工事が行われている(ジェトロ資料より)

【10月29日毎日新聞、30日日本経済新聞】

●北海道知事、ロシア極東地域を訪問
北海道の高橋はるみ知事は、議会・経済界の関係者とともに、10月19日から24日までウラジオストク、ハバロフスク、ユジノサハリンスクを訪問し、各地方の知事と会談した。
サハリン州と「北海道とサハリン州の友好・経済交流促進プラン」に調印し、エネルギー、観光、建設等の分野で経済協力を行うことに合意した。日本の一方的な経済支援ではなく互恵的関係の構築を目指す内容となっている。沿海地方政府とは、ウラジオストク-新千歳間の航空路線・チャーター便の就航で一致。直行便ができれば、新潟を経由せずに1-2時間で行き来ができる。
ロシア側は、北海道の持つ寒冷地における建築技術、農業技術に関心を示しているという。
【10月24日、29日 北海道新聞より】

●ベラルーシ、ウクライナがIMFに支援要請

金融危機のため資金繰りが悪化したベラルーシ政府は、10月22日、国際通貨基金(IMF)に20億ドルの融資を要請したと発表した。約140億ドルの対外債務返済に充てると伝えられている。既にロシア政府からも20億ドルの融資を取り付けている。

ウクライナ政府は、26日、IMFから2年間で165億ドルの融資を受けることを発表。金融危機に加え、輸出の4割を占める鉄鋼の国際価格の急落で打撃を受けた。

その他IMFの緊急融資を受ける国は、10月28日現在、パキスタン、アイスランド、ハンガリー。
【10月23日、28日 日本経済新聞より】

●補償を訴え続ける劇場占拠事件の被害者たち
チェチェン共和国の独立を訴える約40人のテロリストが、914人の人質をとってモスクワのドブロフカ劇場を占拠した事件(ノルド・オスト事件)から10月23日で6年。26日、劇場付近で追悼行事が行われ、犠牲となった130人を表す白い風船が上げられた。

ガスを使った救出作戦による事件解決後も、劇場内にいた観客らの所持金ほか高価な物品が当局から返還されていないという。被害者及び犠牲者の遺族は、それらの返却と窃盗した者の処罰を求め、モスクワの裁判所に訴訟を起こした。
被害者らの弁護士であるトゥルノフ氏によれば、事件以来、この件の捜査と補償を求め続けきたが、一向にらちがあかないため提訴に踏み切ったという。

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犠牲者を追悼するモニュメントとミュージカル「ノルド・オスト」の舞台。テロリストが乱入した当初、観客は劇の演出だと勘違いした


【10月23日 RIAノーボスチ、26日イタルタスより】
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by itsumohappy | 2008-10-31 22:15 | ロシア | Trackback | Comments(2)
2008年 10月 19日

グルジア料理体験

d0007923_22553060.jpg今年の5月にオープンした東京・五反田にあるグルジアワインバーでの食事の印象です。

私は残念ながらほとんど飲めないので、ワインは、在庫のあったものだけ(というのは、ロシアとの紛争で輸送路が断絶し、今輸入ができない状態)試しにひとつグラスで飲み、あとはひたすらお料理を頂きました。
(写真:お店の名前「GAUMARJOS!(ガンバルジョ!)」は、グルジア語で「乾杯」の意味)

○ワイン「カヘチアンロイヤル」(白)
カヘチア地方のワイン。皮ごと醸造するので、琥珀色。蜂蜜の香りがするけれども、甘くない。辛くもない。ワインとは違う飲み物のよう。グルジアで常飲されているとのこと。

グルジアのワイン作りの歴史は5,000年以上。エジプトでも飲まれていた。ぶどうは500種類ほどあるそうです。グルジアは気候温暖で、野菜・果物が豊富。長寿村があるのは、水と食べ物がよいからでしょうか。

代表的な料理、と案内されたものをオーダー。ケバブなどトルコ料理を思い出しました。遊牧民風です。いろいろなハーブを使っている。

  ○プハリ(上)とバドレジアニ
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プハリはほうれん草のクルミあえ。にんにくで香りづけしている。バドレジアニはナスとハーブのクルミあえ。ざくろはこういうふうに使えばいいんですねぇ

  ○ヒンカリ
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グルジアの小籠包。皮は固め。上の部分を持ってひっくり返し気味に頂くと、ひき肉から出るスープがこぼれない。

  ○チャシュシュリ
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グルジアの代表的な牛肉とトマトの煮込み料理。コリアンダーで風味付け。

  ○ハチャプリ
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これはおすすめ。チーズピザのようなものだが、あまり塩気はない。いくらでも食べられそう。熱々のときは、メープルシロップのような甘い香りがする。

  ○ケバブ(シャシリク)
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これはラム。柔らかくて香ばしかった。肉には野菜を付け合せる。

  ○ゴジナキ
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クルミとはちみつのクッキー、とあったが、飴だきのようなもの。グルジアでは、新年に各家庭で頂くものらしい。

グルジアで日本語の教授をしていたことのある、お店のルルアさんが「いろいろ食べてみてほしいから」と一品の個数を調整してくれましたが、これでお腹いっぱい。もう2品位いきたかったな。ヨーグルトを使ったものとか。

このバーで、グルジアワインを楽しみたい方は、もう少し待ったほうがよいです(一応、11月に輸入再開予定)。グルジア情勢が安定することを願います。

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グルジアの地図。シルクロード沿いにあり、中央アジアの影響は大きい。
(外務省:わかる!国際情勢のページから)
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【参考】
日本グルジア文化協会 
外務省 グルジア基礎データ 
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by itsumohappy | 2008-10-19 23:48 | その他 | Trackback | Comments(4)
2008年 10月 06日

北オセチア国立舞踊団「アラン」公演

d0007923_0102999.jpg北オセチア・アラニア共和国から初来日した国立アカデミー民族友好勲章舞踊アンサンブル「アラン」の紹介と公演の感想です。ロシア文化フェスティバル2008の招待で観て参りました。(10月1日/関内ホール)

舞踊団の名前「アラン」は、イラン系遊牧民アランのこと。アランは、紀元前4世紀、スキタイを滅ぼして南ロシア草原を占拠したのち北カフカスの山地に移動した。4世紀後半、ヴォルガ川を渡って移動してきたフン(匈奴)に圧迫され消滅。北オセチアの主要民族、オセチア人はこのアランの後裔と言われている。公演のパンフレットによれば、アランという言葉には、勇猛な「侍」のイメージがあるそうだ。

「アラン」は、1938年に設立され、カフカスに昔から伝わる民族舞踊をレパートリーにしている。ロシアで一、二を争う実力で、57年から今日まで45カ国で公演を行っており、国内外で数々の受賞歴があるとのこと。

d0007923_0144535.jpg鑑賞していて、コサックダンスのような動きだと思ったが、オセチア舞踊の影響を受けてできたのがコサックダンスであると知った。男性の踊りは、地面を踏み鳴らし、腕は水平に素早く動かすタイプが主体。静かな踊りでは、ブーツを履いた足先を、内側に折り曲げて立つのがめずらしい。このつま先使いは、男性の忍耐強さを表すのだそうだ。衣装にはナイフがはさんであることが多い。ナイフを使ったパフォーマンスも特徴のひとつ。

女性の踊りは、ゆったりとして優雅。ロングドレスに長いおさげ髪で、ベールのついた帽子を被った頭を静止させて舞台をすすーっとすべるように動く。なんとなくアラブというかトルコというか中近東の雰囲気があった。

民族舞踊の衣装は興味深い。特に「シムド」という伝統の結婚祝いの群舞で、男性の着ていた上着の袖の長さが普通の1.5倍あり、両手からゆらゆらと垂れて動く袖口が何とも面白かった。

勇壮な戦闘舞踏(下:パンフレットより)は、ぶつけ合った刀から火花が散るくらい激しい動きのもので、観客をわかせた。公演ではオセチアの踊りばかりではなく、アルメニア、アゼルバイジャン、ダゲスタン、グルジアの踊りも紹介されていた。
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「アラン」の初来日は、露鵬関の希望で実現したそうだが、不祥事問題がせっかくの公演に水をさし残念。

【参考】
2008年8月22日 毎日新聞
『ロシアを知る事典』(平凡社)
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by itsumohappy | 2008-10-06 00:08 | その他 | Trackback | Comments(4)