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2010年 06月 13日

最近の話題から

最近の報道から北方領土に関する話題を紹介します。

●ビザなし交流をめぐる動き
1992年から毎年実施されている四島交流(ビザなし交流)事業は、本年も5月から開始され、すでに日本側からの訪問は2回実施されている(5月末現在。国後、色丹に各60名程度)。領土返還の環境づくりの事業であるため、交流プログラムでは、現地ロシア人住民と領土問題を議題とする「対話集会」が毎回行われてきた。しかし、ロシア側は、今年度の交流計画策定段階で、対話集会の中止を要請し、日ロの協議の結果、今年は「対話集会」に代わって領土問題を主要なテーマにしない「住民交流会」が開かれることとなった。

  対話集会の模様(2007年5月)
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日ロの協議の場で、当初ロシア側は、対話集会中止のほかにも、日本側渡航者数の制限、四島に渡航するチャーター船の入港税徴収、同行記者の取材許可証の義務付けなど要求した。また、根室港と四島との定期航路開設、日ロ共同の道路などインフラ整備などを事業継続の条件に挙げた。

これまでにも四島訪問事業でのロシア出入国カードの提出要求などがあったが、今回、ロシア側が強硬な姿勢を見せている背景には、「北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律(北特法)」の改正(09年7月)により北方領土が日本の「固有の領土」と規定されたことのほか、訪問団を受け入れるロシア側住民が事実上同じ人々であり、対話集会を毎回一から始めることに嫌気がさしていることも影響しているらしい。

結局、今年は例年どおりの規模で事業を行うことをロシア側は受け入れ、国後での住民交流会ではロシア人出席者が例年の10数名から100人以上になったそうだ。

第一陣の国後島上陸の際、日本側関係者間の調整不足のためか、チャーター船長が、今回初めてロシア側から提示された入港書類に記入・提出したので、2回目の色丹では、船長の署名が要らないIMO(国際海事機関)の書式による届を日本側で作成し、提出したという。また、ロシア外務省発行の記者証取得を避けるため、同行記者は動画撮影の自粛を当座受け入れた。

チャーター船ロサ・ルゴサ号
d0007923_22431672.jpg入港税については、国後島にあるロシア側の交流窓口が、1年間有効の入港税として約9,700ルーブル(約3万円)支払ったそうだ。日本側から交流事業の経費は一括して四島側に支払われるが、外務省は、入港税として支払うものではないとしている。ロシア国内法の適用をどうにか一見避けた形であるが、今後も同様の問題が続くのではと危惧されている。
四島交流事業を維持したい日本のいわば足元を見ているロシアの狙いは、四島交流の枠を使った経済交流の開始であると指摘する声も多い。

北方四島への日本人の渡航に関する枠組については、こちらをご参照下さい。
【2010年2月7日、3月11日、5月14・15・29日北海道、6月6日毎日新聞より】

●領土交渉に進展なし
2010年6月2日に辞任を表明した鳩山総理は、同日の記者会見で「やり残したことは日ロ関係」と語った。昨年9月の就任時、半年ないし1年で北方領土交渉の進展を図ると表明しており、今年6月以降、メドベージェフ大統領と3回首脳会談が予定されていた。

6月8日、菅総理は就任記者会見で、北方領土問題に対する具体的方針について、「鳩山総理がどういう約束をメドベージェフ大統領とされているのか、あるいはその流れがどうなっているのか、必ずしも詳細に状況をまだ把握しておりません」と答え、これまでの経緯などを十分検討した上で判断すると語った。

再任された岡田外相は、6月9日、ロシアのラブロフ外相との電話会談で、北方領土問題の打開策について協議を継続していくことを確認し、新政権でも日本の対ロ政策に大きな変更はないことを表明。一方、ラブロフ外相は、これまでの日ロ協力関係の発展を期待し、平和条約締結についても、建設的な対話をする用意があると応えた。
対話の姿勢を見せても、北方領土問題に対するロシア側の主張に変化は見られない。ラブロフ外相は、ロシアによる四島の領有は第二次大戦の結果で、日本はそれを認めるべきであり、その上で領土交渉を行うとしても日ソ共同宣言(1956)による歯舞・色丹の返還で決着する(2010年5月19日ロシア下院での発言)、と表明している。

鳩山総理が最後の閣議で、菅氏に渡したメモには「日米、日中、日韓をよろしくお願いします」とあったそうだ。日ロ関係、なかでも北方領土の問題は、最大の懸案ではあるけれども、現在、日本政府が抱えている内政問題や外交交渉のなかで最優先事項には位置づけられていない。今後も当面、日ロともにそれぞれの立場を会談で主張し続けるだけの「領土交渉」になるのだろう。

d0007923_15124614.jpg政府の北方領土問題対策には、外交交渉のほか、内閣府北方対策本部が行う啓発事業があるが、国民の関心を北方領土問題に引きつけ、返還運動を行い続けるのは容易ではなさそうだ。
(写真右)前原沖縄及び北方対策担当大臣のアピール 


【2010年5月20日毎日、6月5日産経、6月9・10日北海道新聞より】


●北方四島周辺水域の安全操業の監視を強化
2010年1月29日、日ロの政府間協定に基づき国後島沖で操業していた、羅臼漁協所属のスケトウダラ刺し網漁船2隻が、ロシア国境警備局のヘリコプターから銃撃を受ける事件が起きた。
その後の海上保安庁の調べで、この2隻は、航跡を記録するVMS(衛星通信漁船管理システム)位置データを約4時間半受信していないことが判明し、さらに、同時に操業していた僚船13隻とホッケ刺し網漁船15隻がVMSを遮断していたことが明らかとなった。銃撃を受けた船の船長は、道海面漁業調整規則違反(区域外操業)で罰金刑を受けた。

北方領土周辺海域での「安全操業」は、領土問題に直結する管轄権を棚上げし、双方の信頼に基づいて行われるものとして1998年に始まった。漁業者はロシア側に協力費を支払い、決められたラインの中で操業する。
これまでにもロシア側による銃撃・拿捕事件が起きており、事件の真相はあいまいにされる場合が多かったが、日本漁船拿捕防止の目的で2009年10月、漁協にVMSが導入された。

1月の銃撃事件を受けて、北海道は、VMSの発信器に細工ができないようにし、操業を常時監視するなどの再発防止策をまとめ、5月11日、道議会に報告した。道海面漁業調整規則違反の罰則も強化され、違反操業者に対する出漁禁止の処分日数が増える。この防止策は、2010年10月からホッケ刺し網漁、11年1月からスケトウダラ刺し網漁から導入される予定である。

スケトウダラの価格暴落により、地元では、ルールを守っていては生活できないとの声がある。しかし、この度のVMS切断事件について、領土問題の犠牲となっている漁業者への同情論はなく、非難の声が強いことを道は危惧し、再発防止に毅然とした姿勢で臨むと報道されている。

北方領土周辺海域での日本漁船操業に関するロシアとの協定についてはこちらもご参照下さい。
【2010年5月11日北海道、13日毎日、6月1日日刊水産経済新聞より】
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by itsumohappy | 2010-06-13 23:57 | その他 | Trackback | Comments(5)
2009年 12月 31日

ピロシキ作り

モスクワとサンクトペテルブルクに旅行した際、食事のときに出てきたパンは黒パンが主体で揚げパンの類は出てこなかった。出店で買ったピロシキは焼いたものだった。私の住む横浜付近では、ピロシキというと必ずといっていいほど中味がひき肉の揚げパン。これはちょっともたれる感じ。普通の焼きピロシキ(というのか)のほうが食べやすい。家で作ると熱々でおいしいです。

【作り方】
(パン生地)(約15個分)
強力粉:300g
ドライイースト:小さじ1
牛乳:200㏄
砂糖:大さじ2
塩:小さじ1/2
溶き卵:1個分&つやだし用に少々
バター:20g

(具)
キャベツの炒め物+ゆで卵
ひき肉と玉ねぎの炒め物
りんごの砂糖煮
塩・コショウ

1.牛乳、バターを室温に戻しておく。バター以外を混ぜ合わせ、ある程度混ざったらバターを入れてこねる
2.パン生地をまとめてラップに包み、温めておいたオーブンの中に1時間位入れて休ませる
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3.その間に具の準備。量は適当。ひき肉の場合、肉160g+中玉ねぎ1/4使いました。
強火で調理し、塩・コショウの味付けはややきつめがいいです。
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4.パン生地をピンポン玉に丸め、麺棒でのばし具を包む。中身によって形を変えるとわかりやすい
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5.天板に油を塗ったオーブンシートを敷き、ピロシキにぬれふきんをかぶせ、温かいオーブンの中にまた入れて約20分休ませる
6.溶き卵をピロシキの表面に塗り、200度で10分強焼く。

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具は、好きなもの何でもいいと思います。マッシュポテトやキノコの炒め物もよく使われるそうです。パン生地はあまりこねなかったので固めに仕上がりました。
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ひき肉をいためる時に小麦粉を入れるとまとまりやすいかも。
オーブンの調子がわるく、また2回に分けて使ったので2時間位かかってしまった(--) 
ピロシキはロシアではおにぎりのような存在らしいですが、おにぎりのほうがよほど素早くできますね。
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by itsumohappy | 2009-12-31 19:12 | その他 | Trackback | Comments(6)
2009年 06月 19日

ロシア文化フェスティバル・銀座大ロシアまつり開催

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2009年6月22日から28日まで「ロシア文化フェスティバル」のオープニングとして「銀座大ロシアまつり」が開催される。銀座の諸会場でコンサート、人形劇、工芸展などが行われる。

ロシア文化フェスティバルは、2006年、日ロ国交回復50周年を記念してスタートしたもので、それ以来毎年開かれている。今年のプログラムはこちら(無料の催しもあるが、ロシアアニメーションフェスティバルなど事前申し込みで既に締め切られているものもあるので注意)。今年は、日本側のロシア文化フェスティバル組織委員会委員長を日ロ協会会長でもある鳩山由紀夫議員が務めている。


ロシア文化フェスティバル友の会(無料)に登録すると催しへの招待や優待がある。

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by itsumohappy | 2009-06-19 22:02 | その他 | Trackback | Comments(8)
2008年 10月 19日

グルジア料理体験

d0007923_22553060.jpg今年の5月にオープンした東京・五反田にあるグルジアワインバーでの食事の印象です。

私は残念ながらほとんど飲めないので、ワインは、在庫のあったものだけ(というのは、ロシアとの紛争で輸送路が断絶し、今輸入ができない状態)試しにひとつグラスで飲み、あとはひたすらお料理を頂きました。
(写真:お店の名前「GAUMARJOS!(ガンバルジョ!)」は、グルジア語で「乾杯」の意味)

○ワイン「カヘチアンロイヤル」(白)
カヘチア地方のワイン。皮ごと醸造するので、琥珀色。蜂蜜の香りがするけれども、甘くない。辛くもない。ワインとは違う飲み物のよう。グルジアで常飲されているとのこと。

グルジアのワイン作りの歴史は5,000年以上。エジプトでも飲まれていた。ぶどうは500種類ほどあるそうです。グルジアは気候温暖で、野菜・果物が豊富。長寿村があるのは、水と食べ物がよいからでしょうか。

代表的な料理、と案内されたものをオーダー。ケバブなどトルコ料理を思い出しました。遊牧民風です。いろいろなハーブを使っている。

  ○プハリ(上)とバドレジアニ
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プハリはほうれん草のクルミあえ。にんにくで香りづけしている。バドレジアニはナスとハーブのクルミあえ。ざくろはこういうふうに使えばいいんですねぇ

  ○ヒンカリ
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グルジアの小籠包。皮は固め。上の部分を持ってひっくり返し気味に頂くと、ひき肉から出るスープがこぼれない。

  ○チャシュシュリ
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グルジアの代表的な牛肉とトマトの煮込み料理。コリアンダーで風味付け。

  ○ハチャプリ
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これはおすすめ。チーズピザのようなものだが、あまり塩気はない。いくらでも食べられそう。熱々のときは、メープルシロップのような甘い香りがする。

  ○ケバブ(シャシリク)
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これはラム。柔らかくて香ばしかった。肉には野菜を付け合せる。

  ○ゴジナキ
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クルミとはちみつのクッキー、とあったが、飴だきのようなもの。グルジアでは、新年に各家庭で頂くものらしい。

グルジアで日本語の教授をしていたことのある、お店のルルアさんが「いろいろ食べてみてほしいから」と一品の個数を調整してくれましたが、これでお腹いっぱい。もう2品位いきたかったな。ヨーグルトを使ったものとか。

このバーで、グルジアワインを楽しみたい方は、もう少し待ったほうがよいです(一応、11月に輸入再開予定)。グルジア情勢が安定することを願います。

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グルジアの地図。シルクロード沿いにあり、中央アジアの影響は大きい。
(外務省:わかる!国際情勢のページから)
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【参考】
日本グルジア文化協会 
外務省 グルジア基礎データ 
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by itsumohappy | 2008-10-19 23:48 | その他 | Trackback | Comments(4)
2008年 10月 06日

北オセチア国立舞踊団「アラン」公演

d0007923_0102999.jpg北オセチア・アラニア共和国から初来日した国立アカデミー民族友好勲章舞踊アンサンブル「アラン」の紹介と公演の感想です。ロシア文化フェスティバル2008の招待で観て参りました。(10月1日/関内ホール)

舞踊団の名前「アラン」は、イラン系遊牧民アランのこと。アランは、紀元前4世紀、スキタイを滅ぼして南ロシア草原を占拠したのち北カフカスの山地に移動した。4世紀後半、ヴォルガ川を渡って移動してきたフン(匈奴)に圧迫され消滅。北オセチアの主要民族、オセチア人はこのアランの後裔と言われている。公演のパンフレットによれば、アランという言葉には、勇猛な「侍」のイメージがあるそうだ。

「アラン」は、1938年に設立され、カフカスに昔から伝わる民族舞踊をレパートリーにしている。ロシアで一、二を争う実力で、57年から今日まで45カ国で公演を行っており、国内外で数々の受賞歴があるとのこと。

d0007923_0144535.jpg鑑賞していて、コサックダンスのような動きだと思ったが、オセチア舞踊の影響を受けてできたのがコサックダンスであると知った。男性の踊りは、地面を踏み鳴らし、腕は水平に素早く動かすタイプが主体。静かな踊りでは、ブーツを履いた足先を、内側に折り曲げて立つのがめずらしい。このつま先使いは、男性の忍耐強さを表すのだそうだ。衣装にはナイフがはさんであることが多い。ナイフを使ったパフォーマンスも特徴のひとつ。

女性の踊りは、ゆったりとして優雅。ロングドレスに長いおさげ髪で、ベールのついた帽子を被った頭を静止させて舞台をすすーっとすべるように動く。なんとなくアラブというかトルコというか中近東の雰囲気があった。

民族舞踊の衣装は興味深い。特に「シムド」という伝統の結婚祝いの群舞で、男性の着ていた上着の袖の長さが普通の1.5倍あり、両手からゆらゆらと垂れて動く袖口が何とも面白かった。

勇壮な戦闘舞踏(下:パンフレットより)は、ぶつけ合った刀から火花が散るくらい激しい動きのもので、観客をわかせた。公演ではオセチアの踊りばかりではなく、アルメニア、アゼルバイジャン、ダゲスタン、グルジアの踊りも紹介されていた。
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「アラン」の初来日は、露鵬関の希望で実現したそうだが、不祥事問題がせっかくの公演に水をさし残念。

【参考】
2008年8月22日 毎日新聞
『ロシアを知る事典』(平凡社)
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by itsumohappy | 2008-10-06 00:08 | その他 | Trackback | Comments(4)
2008年 01月 13日

リトビネンコ事件の余波

2006年11月に、ロンドンでポロニウム中毒死した元FSB(ロシアの連邦保安庁)中佐リトビネンコ氏の事件は未解決のままである。英捜査当局は、07年5月、元KGB(FSBの前身)工作員で実業家のルゴボイ氏を容疑者と断定し、ロシアに身柄引渡しを要求したが、7月、ロシアは引渡しを拒否した。

モスクワの英国大使館
d0007923_160182.jpgこのため、同月、英国がロシア外交官4人を国外退去処分にしたことに対抗して、ロシアも英外交官4人を追放し、加えて政府関係者への渡航ビザ発給や英国との対テロ協力を停止する措置をとった。
ルゴボイ氏は、07年12月のロシア下院選で当選。不逮捕特権を得たが、欧州各国に入れば逮捕される。

リトビネンコ氏暗殺事件による両国関係の緊張が続いている。
07年11月末、BBC放送モスクワ支局員が襲撃され負傷する事件が立て続けに起きた。
12月、ナーシ(プーチン大統領支持の青年組織)が在モスクワ英大使館前でデモを行い、駐ロ大使の召還を要求。ナーシは、大使のスピーチを妨害するなどストーカー行為を行っているという。

また同月、ロシア外務省が、英国の文化交流機関ブリティッシュ・カウンシルのモスクワ事務所以外の地方15箇所の活動を「違法活動」として、08年1月1日以降禁止すると発表した。これについてラブロフ・ロシア外相は、リトビネンコ事件による外交官追放を受けた措置と語った。カウンシルの活動は両国間の文化協定に基づくものと英国政府は主張。カウンシルは、両国市民の文化交流に政治的圧力があってはならないとして、ロシア当局の警告を無視してエカテリンブルクの事務所を年末年始の休暇明けに開いた。サンクトペテルブルクの事務所も活動を継続すると発表した。
(☆追記:その後カウンシルは、1月17日、エカテリンブルク及びサンクトペテルブルク事務所の一時閉鎖を発表した。ロシア当局は、法令に沿えばカウンシルの活動は認められるとしている。)

英国の王立芸術院で1月26日から開催されるロシア美術の絵画展への貸出が、「作品返却の保証が不十分」として先月末に差止められた事件も、政治的緊張が影響したものと見られている。

この展示会は、エルミタージュ、トレチャコフ、プーシキン、ロシアの各美術館から出品される大がかりなもので、すでに前売りも行われていた。ロシア側の許可が下りて予定通りの開催が決定したのは1月9日。関係者はさぞ落ち着かない日々だったことだろう。

(2007年7月20日日経、12月7日産経新聞、12月14日BBC、12月16日毎日新聞、2008年1月9日モスクワタイムズ、ブリティッシュ・カウンシルのページより)

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王立芸術院の展示会の目玉は、マチスの「ダンス」。ロシア革命以前はモスクワの富豪シチューキンのコレクションだった。エルミタージュやプーシキン美術館に所蔵されている主なフランス近代絵画は、革命により個人コレクターから国の所有となったもので、海外貸出の際、コレクターの遺族から返還要求されて絵の出国が差し止められる可能性が全くないとはいえない。
     
 
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by itsumohappy | 2008-01-13 16:29 | その他 | Trackback | Comments(6)
2008年 01月 06日

北を目指すロシア

2007年5月、「国連の気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)は、地球温暖化現象により、この100年で北極の気温が、世界全体の平均気温のほぼ2倍の速さで上昇していると発表した(第1次作業部会報告書)。このため、21世紀後半までに夏の北極海から海氷がほぼ完全に消滅するという新見解も現れた。

北極周辺には世界の未発見の原油・天然ガスの最大25%が埋蔵されている(米地質調査所)と言われ、他にもニッケル、ダイヤモンド、マンガン鉱床があるとされる。北極への航行が容易になれば、これらの埋蔵資源開発が可能となる。

北極では、領有権が主張できない南極と異なって、沿岸国は、「海洋法に関する国連条約」に基づいて海岸線から200海里の「排他的経済水域」を設定できる。さらに、「大陸棚の限界に関する委員会」(CLCS)が「領土の自然延長」と認定すれば、最大350海里までが大陸棚となり、地下資源の独占開発権を得られる。

ミール1号
d0007923_1713671.jpg2007年8月2日、チリンガロフ・ロシア下院副議長率いるロシア遠征隊の潜水艇ミール1と2が、北極点海底に着地して約9時間調査を行い、ロシア国旗を建て「北極はロシアのもの」とアピールした。
(ただ、この調査活動については、オーストラリアとスウェーデンの富豪が費用の大半を出した「旅行」であり、科学的な探査活動ではないとも報じられている。)

ロシアは、01年、CLCSに「ロモノソフ海嶺」等の大陸棚認定を訴えたが、証拠不十分で却下され、調査結果の再提出が求められた。チリンガロフ氏は、08年にはボーリング探査を行うと語っており、ロシアは、09年に開催されるCLCSに向けてデータ調査を開始したともされる。
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白地は2005年夏に氷結した海域
概念図出典:University of Durham, UN

沿岸国であるカナダ、デンマークは、ロモノソフ海嶺は自国に連なると主張。北極点はノルウェー以外の4カ国が領有を主張する可能性がある。しかしながら米国は、「海洋法に関する国連条約」を批准していないため、開発権争奪戦に出遅れている。
専門家は、北極圏の埋蔵資源の多くはロシア領内にあるが、開発技術面で劣るロシアには国際協力が不可欠と指摘している。

最大の懸念は、北極の開発が進めば、温暖化がさらに進行する可能性があることでしょうか。
(2007年8月22日朝日、10月21日日経、2008年1月3日読売新聞より)

大陸棚と200海里
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200海里≒370km
図:AllAboutから作成
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by itsumohappy | 2008-01-06 17:28 | その他 | Trackback | Comments(4)
2007年 12月 29日

最近の話題から

最近の報道から日ロに関する記事を紹介します。

●ロシア、対日経済関係の強化に意欲
12月21日、プーチン大統領は、生産開始したサンクトペテルブルクのトヨタ工場を視察し、今後とも日本と協力してシベリア・極東地域の開発を進めていく考えを示した。

5年連続で6%を超える経済成長率を背景に、日本企業のロシア進出が相次いでおり、自動車メーカーだけでもトヨタ、日産、スズキに続き三菱もロシア進出を決定した。企業進出に伴い、従来からのロシアビジネスにおける課題である、幅広い輸送需要への対応など物流の充実が益々求められている。

部品・完成品を運ぶのに今後注目されるのはシベリア鉄道による輸送。ウラジオストクからシベリア鉄道を使えば、ロシア西部へスエズ運河経由の船舶ルート(所要30~40日)より約4割日数が短縮されると言う。現在、コストや振動等の問題からトヨタも船便を選択しているが、今後は鉄道の活用を視野に入れている。

この輸送の問題のほかエネルギー、情報通信、環境等の分野で日ロの協力を進めるため、日ロ政府は、今年6月合意した「極東・東シベリア地域での日露間協力に関するイニシアチブ」の具体化に向け、民間企業関係者も交えた協議機関の設置に合意した。

ロシア側は、経済協力の強化は、停滞している北方領土交渉の打開に向けた環境整備につながるものであると繰り返し表明しており、プーチン大統領は、21日のトヨタ工場訪問の際、トヨタの進出が平和条約締結問題の解決に寄与すると述べた。
【2007年12月22日産経、11月16日北海道、10月23日読売、7月20日日経新聞より】

●プーチン大統領、柔道ビデオを制作

プーチン大統領と森総理(2000年)
d0007923_052179.jpg2000年9月の訪日時に、講道館から6段の段位を受けたプーチン大統領が、このたび山下泰裕氏と共同で柔道レッスンのDVDを作った。早ければ来年初めにも販売される。
大統領はこれまでにも数冊の柔道の教則本を共同執筆している。大統領は、山下氏が来年の北京オリンピックで中国チームをコーチする予定と聞いて大いに落胆、ぜひロシアチームをコーチしてほしいと語ったそうだ。
【2007年12月24日AP、Reutersより】

●北海道―サハリン間海底通信ケーブルが62年ぶりに復活
北海道石狩市からサハリン・ネベリスクまで約500kmを結ぶ大容量光ケーブルをNTTコミュニケーションズとトランステレコム(モスクワ)が設置する。海底ケーブル敷設工事は年内に終了する。ネベリスクから欧州回線への接続は08年に開通予定。現在太平洋やインド回りで行われている欧州・ロシアへの通信の最短経路となることが期待されている。

NTTの海底ケーブル敷設船「すばる」
d0007923_0532438.jpg樺太への海底ケーブルは1905年(明治38年)に稚内市から電信用に2本引かれたのが最初である。終戦時には、稚内や猿払からのケーブルが6本あった。1945年8月20日、真岡の電話交換手9名が、ソ連軍の真岡攻撃を知らせた後、「皆さんこれが最後です。さようなら」の言葉を内地に伝えて自殺したという歴史がある。
当時のケーブルは、破損が多くて再利用がかなわず、引揚げられないまま海底で眠っている。
【2007年12月18日北海道新聞、2001年12月22日読売新聞、NTT-WEマリン社のページより】

●マンモス“リューバ”来日へ
今年の5月、西シベリア北部のヤマロ・ネネツ自治管区で発見された生後約半年のメスのマンモスが、冷凍状態のままモスクワから早ければ年内にも来日予定。マンモスは、重さ約50㎏、体長約120cmという大型犬くらいのサイズで、約3万6000-3万7000年前のもの。しっぽがちぎれている以外はほぼ無傷という最高の保存状態にあった。

発見者の妻の名をとってリューバと名づけられた
(写真Daniel Fisher,University of Michigan)
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ハンターである発見者は、雪の中から出ていたマンモスをはじめ死んだトナカイだと思ったそうだ。
来日後、東京慈恵医大でCTスキャンを使った内臓等の調査が行われる。

【2007年12月19日産経新聞、7月11日Reutersより】


●ロシア政府、日ロ間漁業協定を見直す可能性を警告
12月13日、北方領土・国後島の北側で羅臼漁協の漁船4隻が「越境操業」の疑いでロシア国境警備艇に拿捕された。病気で倒れた船長の船が「日ロ中間ライン」を越え、追いかけた3隻ともに捕まったという。この時期、日ロ間の「北方四島周辺水域における日本漁船の操業(安全操業)枠組み協定」に基づくホッケ漁が北方領土周辺で行われているが、4隻は安全操業の許可船ではなかった。

日本政府は、船体と乗務員の解放を求め、また、領土問題に関する基本的立場から「拿捕」は受け入れられないといつものように訴えた。しかしながらロシア側からみれば、国境侵犯という認識であり、「安全協定違反は増大し、悪質な故意の性格を強めており、日本が実効性ある取締りを講じなければ、協定を見直す権利を有する」と、駐モスクワ公使をロシア外務省に呼んで警告した。

病気の船長は早期に開放されたが、拘束された残り10人のうち、12月28日現在、国後島にまだ4人が解放されずに留めおかれている。
【2007年12月14日日経、21日北海道新聞より】

●日本企業輸出の鋼材、国後島で使われる
日本の貿易商社「三興プログレス」がトルード・サハリン社(サハリン)に輸出した護岸用鋼材1,300トンが、「クリル発展計画」の一環として国後島で行われている港湾改修事業に使われ、日本政府は鋼材の使用中止を求めた。トルード社社長は、「国後島には日本の食品も車もある。なぜ鋼材はだめなのか」と不満を表明したが、残りの工事では中韓から調達することとなった。

関税法上は日本企業と北方四島との貿易は自由で、四島での活動を規制する法律はない。しかしながら、日本外務省は、ロシアの管轄権を認め、不法占拠を助長することにつながるとして北方領土との共同経済活動を禁じる指導を行っている。
国後や択捉島では今後も大規模なインフラ整備が予定されている。ロシア企業と交易する日本企業が、輸出品の北方四島での不使用を確約させることは現実的には困難と専門家は指摘している。

北方領土に隣接する根室市では、経済振興のため、主権問題に影響を与えないような生活物資等に限って四島との交易を行うことを要望しているが、認められていない。
【2007年12月9日毎日、8日・11日・12日北海道新聞より】

●JA全農、国産米をロシアに初輸出
全国農業協同組合連合会が、11月、新潟産「コシヒカリ」と秋田産「あきたこまち」の計0.6トンをモスクワに初輸出。日本食がブームのロシアでは富裕層が増大しており、今後販売が期待できると全農はみている。
政府が、2013年に1兆円の国産農産物を輸出する構想を掲げていることで、全農も農作物の海外輸出に協力している。
【2007年11月4日産経新聞より】
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by itsumohappy | 2007-12-29 01:18 | その他 | Trackback | Comments(0)
2007年 12月 07日

キエフ・バレエ 「ライモンダ」

キエフ・バレエの公演「ライモンダ」(12月4日:オーチャードホール(渋谷))の感想です。

d0007923_22273743.jpgキエフ・バレエは、「タラス・シェフチェンコ記念ウクライナ国立オペラ・バレエキエフ・アカデミー劇場」が本拠地。バレエ団は20世紀初めに出来た。初来日は1972年とのこと。
「ライモンダ」は、1898年プティパ振付の作品で、同年マリインスキー劇場で初演された。

この公演に行こうと思ったのは、あまり観る機会がなさそうな演目であるのと、ルジマトフが客演予定だったからであるが、ルジマトフは膝の手術のため公演をキャンセルしてしまった。払い戻そうかと思ったが、代演のイーゴリ・コールプもわるくないと言われ、2千円返金してもらって観にいくことにした。


【キャスト】
ライモンダ:エレーナ・フィリピエワ
ジャン・ド・ブリエンヌ:セルギイ・シドルスキー
アブデラフマン:イーゴリ・コールプ
白い貴婦人:田北志のぶ


上演2時間弱でそれほど長くはないが、見所は多かった。  
主人公は、フランス貴族の娘ライモンダ。婚約者であるハンガリーの伯爵ジャンが十字軍で遠征している間に、ライモンダはサラセン人のアブデラフマンに言い寄られる。アブデラフマンと帰還したジャンは決闘し、ジャンが勝利してライモンダと結婚、という単純な物語。

ライモンダ役のフィリピエワは、どちらかというと小柄で手足が特に長いわけでもない。華奢ではなくがっちり安定している。雰囲気はやや硬質で冷たい印象。力強くめりはりのきいた演技だった。特に後半のスピーディーな回転等の技は目をひいた。
シドルスキーは、美しく優雅でいかにも王子様らしく演じていた。ただ王子様キャラクターは、バレエでは当たり前すぎて特徴を出しにくく、敵方があくが強いとくわれてしまう。その敵方、アブデラフマン役のコルプは、熱演をはるかに通りこして怪演の域に達しており、彼のシーンになると異質な世界が展開されていた。私は夏に、来日ガラ公演でコルプを見、その後、コルプ演じる「薔薇の精」をTVで観ていたので、多分「ライモンダ」でも気持ちわるい・・というか、強烈だろうと予想はしていたけれど。
柔らかい体が、ぐねっ・ぐにゅっ・ねとって感じでライモンダに迫る迫る。普通ならひいてしまいそうだが、ライモンダは幻惑されて、ジャンが、帰ってきても決闘でアブデラフマンに勝っても上の空状態。そこで「白い貴婦人」(守護霊みたいの)が登場し、無事2人は結ばれる。田北さんは、身体がしなやかで腕のラインが美しかった。

後半からは、その他大勢の男女もまじえて華やかなお祝いダンス。ハンガリー風なのだろう、片腕を頭の後ろにやってきゅっと体をそらせる決めポーズを皆してやっているのが面白かった。王子の友人たち?の男性陣のきれいにそろった跳躍もよかった。

ところが、男女ペアが入り乱れて踊り始めようというとき、いきなり女性ダンサーの1人が転倒!ぶつかったわけでもなく何でもない場面だったのだが、踏み切りですべったのか何なのか。何事もなく群れに戻って踊り続けていましたが。床に汗なども散っていることだし、ちょっとした拍子で転んでしまうのでしょうねぇ。なお、翌日5日、フィリピエワは腰痛で降板し、田北さんが急遽ライモンダ役となったらしい。

今回の公演スケジュールを見ると、11月初旬から12月下旬まで北は釧路から南は福岡まで全国を縦断中。何人体制でやっているか知らないが、特に主役級はだんだん疲れもたまってくるだろう。ルジマトフの出演キャンセルから何かけちがついたのか・・・。無事日本ツアーを終了できるとよいですねぇ。
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by itsumohappy | 2007-12-07 22:37 | その他 | Trackback | Comments(0)
2007年 10月 04日

オレンジ・プリンセスの髪

d0007923_1323379.jpg2004年、ウクライナの「オレンジ革命」を支援し、同国で最初の女性首相となったユリア・ティモシェンコ氏(1960年生まれ)。政界入りする前は、エネルギー関係の事業で成功したウクライナのオリガルヒだった。現在、親欧米派野党「ユリア・ティモシェンコ・ブロック」(BYuT)を率いる。

2007年4月に新ロシア派のヤヌコビッチ首相と対立したオレンジ派、ユーシェンコ大統領が議会(一院制)を解散したことを受け、9月30日、前倒し選挙の投票が行われた。BYuTは、99%が開票された10月3日現在、30.81%得票し、大躍進した。ユーシェンコ大統領の「われらのウクライナ」と連立内閣を作る模様。ティモシェンコ氏を首相候補に協議が行われると伝えられている。(2007年10月3日毎日新聞ほか)

2010年の大統領選挙への出馬もささやかれるティモシェンコ氏だが、私が前から気になっているのは、氏のヘアスタイル。ぐりぐりと三つ編みを巻いた頭が印象的すぎて政治家にしてはユニークなイメージだ。オレンジ革命のシンボル的存在として民主的な姿勢をアピールする勝負服ならぬ勝負ヘアとも言うべきあのスタイルは、三つ編みわっかのヘアピースをのっけているのではなく、全部本物の髪でできている。しかし、本当は黒髪らしい。

ウクライナ農民の伝統的なスタイルを意識して自分で発明したもので、毎朝自分で結っている。所要時間は7分。ウクライナのTVで、ほどいて作り直すパフォーマンスが放映されたこともある。髪が話題になるのはいつものことであり、この姿でウクライナが注目されるなら喜ばしいと語っている。氏のサイトは写真満載で、髪が気になる人にも疑問がわかるよう配慮されている(と思う)。
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サイドで作った三つ編みを引っ張って巻きつける単純なつくりに一見見えるが、三つ編みの先の処理やほつれないような美しい仕上げにはそれなりのテクニックがありそう。ピンとスプレーを使わないと安定しないかな。(上は10月1日記者会見時の写真:氏のサイトから)

d0007923_1382966.jpg←たまにこういう姿(2007年1月)になると、「鉄の女」的イメージを払拭するためとか政策を変更するためとか周囲から何かと憶測されるらしいが、本人は、「単に変えてみたくなるときもある」だけで、深い意味はないそうです。(右下:エル誌のカバーにも登場(2005年4月))
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by itsumohappy | 2007-10-04 01:54 | その他 | Trackback | Comments(2)