2008年 07月 12日

ホリプロ 『かもめ』

今年3月に開館した赤坂ACTシアターのオープニングシリーズのひとつ、チェーホフの『かもめ』に藤原竜也らが出演。7月10日夜公演(東京・赤坂ACTシアター)の感想です。
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約1,300人入る大劇場では、古典的な演劇の場合、舞台が発する「気」が拡散し薄れてしまう。特に席が後ろのほうだと、『かもめ』のような地味な劇をじっくり味わうのは難しい。チケット取ったのが遅かった割にはまずまずの席だったのだが、それでも舞台と一体感を得るには遠かった。

栗山民也氏の演出は手堅い。原作どおり丁寧に展開していて安心と言えば安心である。しかし、21世紀のきょうび、『かもめ』を新劇場で大々的にやるからには、何か斬新なところが欲しいと感じた。
沼野充義氏の翻訳には今世紀の言葉が混じるのだが、唐突にそれらをせりふに入れても、設定は19世紀ロシアのままであるから、違和感が出るだけである。重厚な古典的演出とも言い切れないし、どの演者もそれなりによかったので、一種中途半端さが少々もったいない気がした。簡素な舞台装置、衣装ですむこの劇に、お金をかけるとすればキャスティングなのだろうか。

トレープレフ、ニーナ、マーシャは、はりきっています!という感じの、若さあふれる全力投球演技。それはそれでよいと思う。トレープレフ、ニーナは、早口になるとせりふが聞き取りにくかった。そこいくとアルカージナ、トリゴーリンの演技はさすがで、緩急、間合い、笑いの取り方も自在である。

『かもめ』では、見果てぬ夢、かなわなかった夢、あきらめの人生、あきらめない人生等の様相が描かれている。10代の人も多く見受けられた公演だが、原作を読まずに観た場合、そのようなチェーホフの世界を、彼らがどう感じたか聞いてみたいものだ。

東京公演は終了。7月18日から大阪、その後8月上旬にかけて広島、愛知で上演されます。

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【キャスト】
トレープレフ・・・藤原竜也
トリゴーリン・・・鹿賀丈史
ニーナ   ・・・美波
マーシャ  ・・・小島聖
アルカージナ・・・麻実れい

ドールン   ・・・中嶋しゅう
シャムラーエフ・・・藤木孝
ポリーナ   ・・・藤田弓子
メドヴェジェンコ・・・たかお鷹
ソーリン   ・・・勝部演之
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by itsumohappy | 2008-07-12 23:32 | 演劇 | Trackback | Comments(0)
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