人気ブログランキング | 話題のタグを見る

国際婦人デーと新潟産チューリップ

3月8日は国際婦人デー。ロシアの祝日のひとつ。会社でも小学校でも男性は女性に花などを贈るそうだ。ロシアの調査会社が国内153都市1600人を対象に行った調査によると、ロシア男性が予定する女性へのプレゼントのトップは花(47%)。その他には、カード&女性向けギフト(33%)、菓子(31%)、香水・装飾品類(25%)など。装飾品といっても宝石を含め高価なものを選択した人は少ない(5%)。たくさんの女性にお祝いしなければならないからだろう。
約半数(49%)が、自宅でごちそうを食べて祝う予定で、外食、ナイトクラブへ行くことを選んだのは4%という結果だ。(2007年3月7日ウラジオストク・ニュース

ロシアでは、1年間の切花の総売上の50%がこの国際婦人デーでの売上だという。ソ連時代はもっぱらミモザが贈られていたが、今は赤いバラなどが好まれるらしい。
季節的に生花が品薄であるこの時期、新潟のチューリップが国際婦人デーをターゲットに極東ロシアへ06年から本格的に輸出されている。

人気を呼んだ「ファンシーフリル」と「バレリーナ」(右下)国際婦人デーと新潟産チューリップ_d0007923_23143125.jpg
新潟の「FFSフラワーファームしろね」社長は、取引先のオランダ農家からロシアにおける国際婦人デーでの花の需要を聞き、05年、試みに17種類約5千本をハバロフスクの店に置いたところ半日で完売。

モスクワ経由でオランダから陸路で運ばれるチューリップと比べて鮮度がよく、オランダ産が2、3日でだめになる一方、新潟産は9~15日もち、現地業者が大絶賛した。価格は日本の3~4倍でも現地では高品質なものを求める消費者が増え、贈る花の美しさを競う傾向にあるそうだ。国際婦人デーに限らず、ロシアでは花の需要が多く、日本側にとっては、バブル崩壊後、花きの売上が落ち込んでいたところに新たな販路が見いだされた。
国際婦人デーと新潟産チューリップ_d0007923_2315147.jpg
「しろね」は、今期、ハバロフスクとウラジオストクに06年12月~3月の間、チューリップ10万本を空輸する見込み。ハバロフスクまで130分、ウラジオストクは90分なので翌日には店頭に並び、東京に出荷するのと変わらない。
今年は、JA新潟みらいでもチューリップの輸出を始めた。

今後は花に限らず果物類などの農産物にも需要が出てくる見込み。新潟港発の定期フェリー航路も今年開かれる予定なので、ロシア対岸の県には新たなビジネスチャンスとなりますね。

(2005年8月26日朝日新聞、07年2月27日新潟日報、3月4日日本農業新聞 他より)

************
【国際婦人デー】
1904年3月8日、米国の女性労働者が参政権獲得運動を行ったことをきっかけに、1910年、国際社会党会議で国際婦人デーが定められた。
ロシアではソ連時代から女性の祝日として定着している。男性のためには「祖国防衛者の日」(2月23日:旧「ソビエト陸海軍の日」)が02年から祝日に定められた。
by itsumohappy | 2007-03-08 23:33 | その他
<< 東西教会の和解は遠く 最近の話題から >>