コンサートでくれるちらしの束の中にあった案内で「魂と大地の歌 ロシア民謡コンサート」を知り、池袋の東京芸術劇場へ行った。(2月5日) あの広い会場が満員状態でちょっとびっくり。なんでも日本フィルのオリジナルプログラムで人気の企画なのだそうだ。お客さんの平均年齢はかなり高めで老夫婦連れが多く目に付いた。その昔、うたごえ喫茶に通っていた方々なのかもしれない。
ロシア民謡の特徴はバスと合唱。コンサートは、解説も交えながらバス、ソプラノ、合唱と組み合わせたなかなか楽しい構成であった。 生の音は心に非常に響く。「道」を聞きながら泣く。ロシア民謡の哀しさはどこから来るものなのだろう。大地と厳しい自然、戦争の歴史だろうか。ロシア正教の伝統(伴奏なしで合唱する)も大きく影響しているようだ。 バスの岸本力さんは、芸大ではじめはドイツ歌曲をやっていたが、どうにも合わなくて病気になり休学したそうだ。田舎に帰って畑を耕しているうちロシア歌曲に導かれた、と語っていた。白樺合唱団というのは知らなかったのだが、50年以上の歴史があるとか。男女ともロシアの民族衣装の大部隊でなかなか壮観だった。 うたごえ喫茶でどうしてロシア民謡がよく歌われたのかよくわからないが、時代の空気に合っていたのだろう。うたごえ喫茶ともしびの人気リクエストにも「鶴」、「アムール川の波」、「バイカル湖のほとり」などしっかり入っている。HPによると新宿にはここの他にも2軒うたごえ喫茶があるようでちょっとびっくり。 哀感に満ちたメロディーが今の気持ちに合っていたので、ロシア国立室内合唱団、アレクサンドロフ室内合唱団が歌っているロシア民謡CD2枚組を買ってしまった。夜しんみり聞いていると確かに荘重な感じもあり教会の音楽に通じると思った。 コンサートのプログラムは下記のとおり。 <指揮>渡邊一正 <歌と解説>岸本力(バス) <歌と司会>赤星啓子(ソプラノ) <合唱>合唱団白樺 アンドレーエフ:ロシア民謡「月は輝く」による変奏曲(オーケストラ演奏)/ ステンカ・ラージン(バス)/トロイカ(バス)/コサックの子守歌(ソプラノ)/ 一週間(ソプラノ&バス)/リャードフ:「8つのロシア民謡」より“村祭りの踊り” “村人の踊り”(オーケストラ演奏)/赤いサラファン(ソプラノ)/悲しき天使(バス)/ 黒い瞳(バス)/疲れた太陽(バス)/鶴(バス)/道(バス&合唱)/ 〔ロシア語でみんなで歌おう:ともしび〕/百万本のバラ(合唱)/ ウラルのぐみの木(ソプラノ)/アムール川の波(合唱)/ なぜ私はあなたを知ったのでしょう(ソプラノ)/ 果てしなき荒れ野原(バス)/ヴォルガの舟曳歌(バス&合唱)
by itsumohappy
| 2006-02-28 22:42
| 音楽
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