2015年 11月 26日

シュツットガルト・バレエ「オネーギン」

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シュツットガルト・バレエ「オネーギン」の感想です。(11月21日/東京文化会館)


【出演】
タチヤーナ/アリシア・アマトリアン
オネーギン/フリーデマン・フォーゲル
オリガ/エリサ・バデネス
レンスキー/コンスタンティン・アレン
グレーミン侯爵/ロバート・ロビンソン
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団/ジェームズ・タグル指揮
音楽: ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー  クルト=ハインツ・シュトルツェ編曲
振付:ジョン・クランコ


3年ぶりの来日だが、「オネーギン」の日本公演は、2008年以来とのこと。このバレエ団を有名にした「オネーギン」は、団員にとって神聖な演目だそうだ。

ロシアの国民的詩人・プーシキン作の『エフゲニー・オネーギン』はオペラや映画になり、そのうち私が観たものはどれも心に残った。バレエとなると原作を忠実に反映するのは難しい部分もあり、多少端折らざるをえないが、それでもこのバレエは期待以上に素晴らしく、魂のこもった大変感動的な舞台だった。終幕では、あちこちからすすり泣きが聞こえていたほどだ。

d0007923_2384288.jpgオネーギンを演じたフォーゲルは、これまでレンスキーを主に演じており、日本で「オネーギン」全幕の主演を務めるのは初めてだったそうだ。じっと座ってカードめくりするだけでも、気取り屋の余計者の雰囲気がよく出ていた。レンスキー、グレーミン侯爵も原作のイメージどおり。アマトリアンのタチヤーナも熱演だったが、若干大人すぎか。

ベージュ、白を基調とした衣装で、全体としては地味に見えるかもしれないが、品がよい。超絶技巧の連続技みたいなものはなくとも、群舞のシーンなど舞台を斜めに行き交ったりして見応えがあった。音楽は、チャイコフスキーの楽曲を編曲しているそうで、オペラの「オネーギン」を使っていない。却ってそのほうが自由なイメージになってよいかもしれない。



「オネーギン」が心を打つのは、帝政ロシア期の話であっても、青年期の熱情や夢、或いは絶望、さらには傲慢さ、軽薄さ、老いては分別、諦めなど人々の様々な感情が織りなすドラマであるからだろう。おとぎの国や悪魔・精霊が出てくる、よくあるバレエ作品とは印象が異なる。

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by itsumohappy | 2015-11-26 23:13 | 演劇 | Trackback | Comments(0)
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